インボイス制度導入でどうなる? 税務調査の方針と留意すべきポイント
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中小企業経営においては法律が絡む問題が発生することもあります。そんな法律問題の新しい問題解決の方法を、一般社団法人家族のためのADR推進協会 小泉道子代表理事にシリーズで解説いただきます。
突然ですが、こんな場合、あなたならどうしますか??
中小企業を経営する社長のAさん、ある日突然、脳梗塞で倒れ、帰らぬ人となりました。そして、早速に勃発する後継者争い。社内は、長男派閥と次男派閥に分裂し、険悪なムードです。もちろん、遺産分割も進まず、事業用資産も運用できないまま、経営に支障をきたしてしまいました。長男と次男の双方が弁護士を立て、家庭裁判所で争いましたが、最終解決まで約1年。その間に、会社が長年培ってきた信用はなくなってしまい、取引先もお客さまも離れていきました。
また、こんなことは、あなたの身に起こりえないでしょうか。
家族経営で小さな会社を切り盛りする夫。そして、その夫を経理担当者として支える妻。ずっと公私ともに二人三脚でやってきた二人ですが、次第に関係が悪化し、ついには離婚することに。しかし、会社の運転資金の借入れのため、個人資産を担保に入れていたので、公私の資産が入り乱れ、離婚時の財産分与が複雑になってしまいました。結局、裁判になり、公開の法廷で争いましたが、夫婦の私的な部分のみではなく、会社の経営に関することまで晒してしまうことに。経理担当者であった妻がいなくなったため、社内も混乱し、結局、離婚騒動から2年も経たずに、倒産してしまいました。
このように、中小企業の経営者のみなさまは、家庭と仕事の距離が近いが故に、様々な問題が起こりやすかったり、複雑化しやすかったりします。
今日は、そんなみなさまに是非知っておいていただきたい「問題解決の方法」についてお伝えしたいと思います。
ADRは、日本語では「裁判外紛争解決手続」と言われたりしますが、読んで字のごとし、裁判所の一歩手前の解決を目指す手続きです。 みなさんは、何か法的な争いを含む問題が発生したとき、どんな解決方法が思い浮かぶでしょうか。多くの方は、弁護士に相談に行ったり、裁判所に申し立てたりといった解決をイメージすると思いますが、問題に詳しい専門家が当事者の間に入って仲裁や仲介をするのがADRです。
このADRは、今から11年前に裁判外紛争解決手続促進法(以下、「ADR法」とします。)が施行されて以降、じわじわと世に広まりつつあります。しかし、まだまだご存知ない方も多いと思いますので、以下で少しご説明いたします。
最近、よくみなさんから聞かれるのが、「裁判所での解決とどう違うの?」、「弁護士に依頼するのとは何が違うの?」といったご質問です。確かに、違いが分かりにくかったりしますので、以下でご説明したいと思います。
筆者は、離婚や相続といった親族間の問題を扱うADR機関を運営していますが、冒頭でお伝えしたとおり、中小企業の経営者のみなさまは、比較的こういった問題を抱えやすく、ご利用が増えてきています。
次回から離婚や相続のADRによる解決をコラムでご紹介していきたいと思います。次回以降は、無料相談の受付フォームも設置予定ですので、是非、ご活用ください。
著者
家族のためのADRセンター
センター長 小泉 道子
家庭裁判所で15年勤務した後、民間の仲裁機関「家族のためのADRセンター」を設立。離婚や相続といった親族問題を専門に取り扱っている。
モットーは、「親族問題こそ、穏やかに解決!」
お客さまの声をお聞かせください。
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