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MONO MAKERS PROGRAM、⼤阪・関西万博で成果を披露 オランダ・ナショナルデーに合わせて、オランダ国王陛下・⾼円宮妃久⼦さまもご来臨

大阪・関西万博特別展示レポート

エヌエヌ⽣命保険株式会社(以下、エヌエヌ⽣命)は、社会貢献活動の一環として日蘭協業支援プログラム「MONO MAKERS PROGRAM(以下、MMP)」を実施しています。本プログラムは、オランダで日本のデザインやクラフト商材の展示・即売会「MONO JAPAN」を主催するJapan Cultural Exchange と共に運営し、日本の伝統産業を担う若手経営者と海外クリエイティブ人材の協業を通じて、欧州市場への進出を後押しする取り組みです。

万博での特別展示とオランダ・ナショナルデー

  • 会期:2025年5月20日(火)〜5月25日(日)
  • 会場:大阪・関西万博会場内ギャラリー EAST
  • 展示タイトル:Bridging Past and Future(過去と未来のあいだに橋を)
  • 特設サイト:https://nlinjp.com/bridgingpastandfuture
  • 大阪・関西万博会場内ギャラリー EASTにて、日蘭交流425周年を記念した「Bridging Past and Future(過去と未来のあいだに橋を)」の特別展示が開催されました。本展示は、オランダパビリオンの文化プログラム「Activating Common Ground」の一環として開催され、日本とオランダのアーティスト、デザイナー、つくり手15組による協働プロジェクトを紹介しました。展示作品は、テキスタイル、陶芸、畳、木工など多彩なジャンルにわたり、両国のクリエイターが国境を越えて力を合わせることで、国境を越えた協働が革新と創造、そしてつながりを⽣む好例となりました。
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会期中の5月21日(水)、オランダ・ナショナルデーには、オランダのウィレム=アレクサンダー国王陛下ならびに高円宮妃久子さまのご来臨を賜り、式典および本展示のオープニングレセプションにご臨席賜りました。2013年4月の国王御即位後の訪日としては今回が3回目となります

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▲ ご来臨されたオランダのウィレム=アレクサンダー国王陛下(写真右)、⾼円宮妃久⼦さま(写真中央)

MMP成果作品「Wooden Narratives」を出展

大阪・北区天神橋に拠点を置き、だんじり(祭礼用の屋台)や太鼓台・神輿の彫刻をはじめ、記念品・置物、表札、生活雑貨など多彩なジャンルの木彫品を手掛けている伝統木彫工房・株式会社木彫前田工房(以下 木彫前田工房)と、オランダ人デザイナーのキャロル・バーイングスさんの協業から生まれたアートピースシリーズ「Wooden Narratives」を展示。本作品は、オランダより来日した医師シーボルトが川原慶賀に描かせた絵画(以下2点)をもとに立体化され、2023年のシーボルト来日200周年を記念して制作されました。だんじりに施される木彫技術とオランダのコンテンポラリーなデザインが融合し、伝統と革新をつなぐ象徴的な作品として注目を集めました。アレクサンダー国王陛下と高円宮さまも足を止め、日蘭のクラフトが生む新たな表現に高い関心を寄せられました。

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▲ アートピースシリーズ「Wooden Narratives」
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▲ 元となった絵師・川原慶賀の水彩画「オオルリ」と「ユノス」
  • 「オオルリ」川原慶賀 ナチュラリス生物多様性センター所蔵 1823年-1829年 鉛筆と水彩画
  • 「ユノス」川原慶賀 ナチュラリス生物多様性センター所蔵 1823年-1829年 鉛筆と水彩画

展示会場にはアートピースの作者、木彫前田工房の前田暁彦さんご本人が立ち、国内外から集まった出展者や関係者、デザイン・工芸・ビジネス分野の専門家、報道陣など多彩な来場者と直接交流しました。


来場者からは、バーイングスさんとの協業プロセスや、言語の壁を超えて日本の木彫技術とオランダのデザインが対話することで生まれた新しい表現の裏側について、活発な質問が寄せられました。前田さんは「2D(二次元)の写真を3D(三次元)の立体に置き換える」という独自のアプローチや、完成までに10点以上の試作品を重ねたことを紹介。


これまでだんじり彫刻ではデザインを一任されることが多かった一方で、今回の協業ではバーイングスさんの精緻なデザインを忠実に再現する必要があり、大きな挑戦だったと振り返ります。「正直、当時はかなり大変でしたが、今思えばその要求水準こそが世界基準。自分の技量はまだまだ伸びしろがあると気づかされました」と語ってくださいました。

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▲ 来場者との交流を楽しむ、木彫前田工房・前田暁彦さん(写真右から2番目)

木彫前田工房 前田さんよりメッセージ

「大阪・関西万博のオランダ・ナショナルデーに合わせて開催された日蘭交流特別展示に、弊社とオランダ人デザイナーのバーイングスさんとの協業で生まれた作品3点を出展させていただき、本当に光栄で感謝の気持ちでいっぱいです。


出展を無事に終え、振り返ってみると、万博に出展することは、実は2022年にバーイングスさんとの協業が始まった時から、もう運命づけられていたのかもしれません。というのも、彼女が来阪した際に、在大阪オランダ王国総領事館を訪問する機会があり、総領事のマーク・カウパースさんにお目にかかりました。その時に「万博で何かできたら」という話をしていたのでした。まさか実現することになるとは、あの時はまだ夢の話でした。 それが叶った。なんでも言うって大事ですね。


実際の展示を自分で見てもなんだか自分たちの作品とは思えないくらい誇らしく思いましたし、感動しました。作品に風格が出てきているようにさえ思え、関係者さん達にも色々感想を聞くことができたのですが、皆さんから賞賛のお言葉をいただけて感慨深かったです。


こんな経験をさせていただけたのも、エヌエヌ生命のプロジェクトに参加させていただけたからです。これに参加できたことは僕自身もそうですが、木彫前田工房としても大きな大きな財産となりました。 得たものは数知れず、多すぎてなんと言葉にしたらいいのか悩みます。あえてここでは一つに絞りますと、『自分の仕事に自信がついた、世界で戦えると』 。


バーイングスさんとの出会いが僕の作家人生を大きく変えたのは間違いないです。 こんな経験はなかなか出来るものではないですが、それをさせていただいたプロジェクトでした。参加できていなかったらどうなっていたのかと思います。感謝しかないです。


この経験をもっと生かしていくには今後何をすべきなのかを、プロジェクトが終わってからもよく考えます。一発の打ち上げ花火で終わらせるのではなく、次につなげていく持続性のあることに昇華させていくには、やはりビジネスとして今後はオランダと日本の架け橋にならねばと考えています。せっかくのチャンスをエヌエヌ生命からいただいたのですから、これを活かすのが僕の使命です。次は恩返しです。


バーイングスさんとの協業作品で世界に打って出ていきオランダ人デザイナーと日本人職人のコラボレーション作品が世界中で大暴れして話題になればもっとオランダと日本の評価が上がると思いますし、後に続く方々、企業も出てくると思います。そうなればオランダと日本の経済にもいい影響を与えられるのでは?と。 当然そうなれば、あの二人を引き合わせたのはエヌエヌ生命らしいぞと評判にもなるはずなので、恩返しにもなるかと。


かなり話は大きくなりましたが、こんな考えができるようになったのは、エヌエヌ生命のプロジェクトのおかげで色々経験させていただいたからです。ありがとうございました。これからもまだまだ何かしていきますのでサポートよろしくお願いいたします」

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参加者同士の交流・ネットワーキング

オープニングレセプションには、オランダ王国大使館のロブ・アンダーソン全権公使をはじめ、MONO JAPANの松浦華子さん、地元・兵庫県小野市で合同会社シーラカンス食堂を立ち上げ、MONO JAPANと協業でアーティストインレジデンス事業「AKIYA AIR」を行う小林新也さん、木彫前田工房の前田さん、そしてエヌエヌ生命の信岡良彦・保谷友美子が出席し、終始和やかな雰囲気で意見交換が行われました。席上では、本プログラムが「日本の伝統産業の担い手とオランダのクリエイターをつなぎ、文化・歴史・技術を融合させて時代に即したイノベーションを生み出すプラットフォーム」であることが紹介されました。


アンダーソン公使に「オランダにルーツを持つエヌエヌ生命が社会貢献活動としてここまで両国を結び付け、文化交流の成果を示していることには敬意を表します。大使館としても今後さらなる支援と連携を続けたいです。」と賛辞を送っていただきました。


会場では、2023年にMMPとして大阪の和紙卸会社と共同プロジェクトを行ったオランダ人デザイナー、メイ・エンゲルギールさんと、前田さんの再会の場面も見られました。エンゲルギールさんは今回別プロジェクトで出展しており、次なるコラボレーションの可能性についても活発な意見が交わされました。

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▲ 写真左から、オランダ王国大使館 ロブ・アンダーソン全権公使、木彫前田工房 前田暁彦さん、シーラカンス食堂 小林新也さん(共同出展者)、MONO JAPAN 松永華子さん(共同出展者)、エヌエヌ生命 保谷友美子、エヌエヌ生命 信岡良彦
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最後に

エヌエヌ生命 執行役員チーフビジネスディベロップメントオフィサー 信岡はこう語ります。
「エヌエヌ生命は、オランダにルーツを持つ生命保険会社として、日本とオランダをつなぎ、日本の未来を担う、若手経営者や後継者のビジョン実現を支援します。日蘭協業支援プログラム『MONO MAKERS PROGRAM』を通じて、日本とオランダの若い世代が築くコラボレーションの輪を広げ、伝統と未来を結ぶ“橋”を強固にしながら、地域や産業が抱える社会課題を解決する一助となれば幸いです。」

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