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中小企業経営者に関する調査結果

道路貨物運送業の中小企業経営者・自営業者に関する調査
~「2024年問題」について、約5割が「適用準備しておらず、何をしていいかわからない」と回答 ~

  • リサーチ

この記事は6分で読めます

エヌエヌ生命は、道路貨物運送業の中小企業経営者と自営業者の実態を把握するため、2023年12月中旬に道路貨物運送業の中小企業経営者と自営業者計258名を対象とする調査をおこないました。

調査結果詳細
(1)物流の「2024年問題」について、「適用準備しておらず、何をしていいかわからない」が49.6%。労働時間の上限規制適用の影響で変化する必要のあった事柄は「配送料の値上げ」が27.9%、「賃上げ」が19.8%に

中小企業経営者と自営業者258名に、2024年4月1日から自動車運転業務の年間時間外労働の上限が960時間に制限される「2024年問題」への対応状況について聞いたところ、「適用準備しておらず、何をしていいかわからない」が49.6%で最も高く、「すでに適用準備ができている」は29.8%、「今後適用準備する予定」は20.5%となりました。

また、労働時間の上限規制適用の影響で変化する必要のあった事柄について聞いたところ、「配送料の値上げ」が27.9%、「賃上げ」が19.8%でした。「特にない・この中にはない」は57.4%で最多となりました。

労働時間の上限規制適用の影響により、変化する必要のあった事柄はありますか(n=258、MA)棒グラフ。配送料の値上げ:27.9%、賃上げ:19.8%、適正な運行計画への見直し:12.4%、雇用の拡大:6.2%、(リレー運送など)輸配送形態の切り替え:3.1%、特にない・この中にはない:57.4%

(2)デジタル化の施策について「すでにデジタル化している」との回答は「契約・受発注・見積・請求」(17.8%)が最多。雇用・待遇に関する施策のうち「すでに導入している」との回答は「副業の許可」(20.5%)が最も高い

中小企業経営者と自営業者258名に、ITツールの活用やクラウドサービスの導入など、デジタル化の状況について聞いたところ、いずれの施策も「予定はない」との回答が最多となりました。「すでにデジタル化している」との回答率について施策ごとに見ると、「契約・受発注・見積・請求」(17.8%)が最も高く、「日報作成」(14.0%)、「配車表確認」(13.2%)と続きました。

デジタル化の状況についてそれぞれお答えください(n=258、SA)積み上げ棒グラフ。契約・受発注・見積・請求:すでにデジタル化している17.8%、2024年4月になるまでにデジタル化予定3.9%、2024年4月以降にデジタル化を予定6.2%、予定はない72.1%。日報作成:すでにデジタル化している14.0%、2024年4月になるまでにデジタル化予定3.5%、2024年4月以降にデジタル化を予定5.8%、予定はない76.7%。配車表確認:すでにデジタル化している13.2%、2024年4月になるまでにデジタル化予定2.7%、2024年4月以降にデジタル化を予定6.2%、予定はない77.9%。貨物照会:すでにデジタル化している12.4%、2024年4月になるまでにデジタル化予定2.7%、2024年4月以降にデジタル化を予定5.4%、予定はない79.5%。配車手配:すでにデジタル化している12.0%、2024年4月になるまでにデジタル化予定2.3%、2024年4月以降にデジタル化を予定5.0%、予定はない80.6%。従業員の労務管理:すでにデジタル化している10.5%、2024年4月になるまでにデジタル化予定3.1%、2024年4月以降にデジタル化を予定5.0%、予定はない81.4%。配送計画:すでにデジタル化している8.5%、2024年4月になるまでにデジタル化予定3.9%、2024年4月以降にデジタル化を予定5.0%、予定はない82.6%。車両点検:すでにデジタル化している8.1%、2024年4月になるまでにデジタル化予定3.5%、2024年4月以降にデジタル化を予定7.0%、予定はない81.4%

また、雇用・待遇に関する施策の導入状況について聞いたところ、いずれの施策も「導入予定はない」との回答が最多となりました。「すでに導入している」との回答率について、施策ごとに見ると「副業の許可」(20.5%)が最も高く、「賃上げ」(13.2%)、「労働時間の短縮」(12.4%)と続きました。

雇用や待遇に関する施策についてそれぞれ導入状況をお答えください(n=258、SA)積み上げ棒グラフ。副業の許可:すでに導入している20.5%、2024年4月になるまでに導入予定0.4%、2024年4月以降に導入を予定3.9%、導入予定はない75.2%。賃上げ:すでに導入している13.2%、2024年4月になるまでに導入予定2.7%、2024年4月以降に導入を予定12.4%、導入予定はない71.7%。労働時間の短縮:すでに導入している12.4%、2024年4月になるまでに導入予定2.3%、2024年4月以降に導入を予定10.5%、導入予定はない74.8%。新たなドライバーの雇用:すでに導入している10.1%、2024年4月になるまでに導入予定0.8%、2024年4月以降に導入を予定5.4%、導入予定はない83.7%。福利厚生の向上:すでに導入している8.9%、2024年4月になるまでに導入予定1.9%、2024年4月以降に導入を予定5.4%、導入予定はない83.7%。ドライバー以外の新たな人材の雇用:すでに導入している6.6%、2024年4月になるまでに導入予定1.6%、2024年4月以降に導入を予定3.5%、導入予定はない88.4%

雇用・待遇に関する施策について、導入が難しかった、または難しいと思うものについて聞いたところ、「賃上げ」が33.3%、「労働時間の短縮」が19.4%という結果になりました。「特にない・この中にはない」は55.0%でした。

導入が難しかった、または難しいと思う雇用や待遇に関する施策はありますか(n=258、MA)棒グラフ。賃上げ:33.3%、労働時間の短縮:19.4%、新たなドライバーの雇用:15.9%、福利厚生の向上:12.0%、特にない・この中にはない:55.0%

さらに、各施策の導入が難しいと選択した人を対象に、その理由について聞いたところ、「賃上げ」では最多が「顧客理解が得られないから」(67.4%)、次いで「(許容以上の)費用が発生するから」(27.9%)となりました。「労働時間の短縮」では、最多が「顧客理解が得られないから」(52.0%)、次いで「導入を主導できる人材がいないから」(26.0%)となりました。

【賃上げ】導入が難しい理由はなんですか(n=86、MA)棒グラフ。顧客理解が得られないから:67.4%、(許容以上の)費用が発生するから:27.9%、知り合いの同業他社が導入しないから:11.6%、導入を主導できる人材がいないから:9.3%、従業員理解が得られないから:3.5%、その他:5.8%
【労働時間の短縮】導入が難しい理由は何ですか(n=50、MA)棒グラフ。顧客理解が得られないから:52.0%、導入を主導できる人材がいないから:26.0%、(許容以上の)費用が発生するから:22.0%、知り合いの同業他社が導入しないから:14.0%、従業員理解が得られないから:12.0%、その他:6.0%
【新たなドライバーの雇用】導入が難しい理由は何ですか(n=41、MA)棒グラフ。導入を主導できる人材がいないから:43.9%、(許容以上の)費用が発生するから:34.1%、顧客理解が得られないから:14.6%、従業員理解が得られないから:7.3%、知り合いの同業他社が導入しないから:4.9%、その他:12.2%
【福利厚生の向上】導入が難しい理由は何ですか(n=31、MA)棒グラフ。(許容以上の)費用が発生するから:61.3%、導入を主導できる人材がいないから:29.0%、顧客理解が得られないから:16.1%、従業員理解が得られないから:6.5%、知り合いの同業他社が導入しないから:6.5%、その他:9.7%

(3)運送業界の現状を改善するために必要だが顧客理解が得られないものは「配送料の値上げ」が65.5%で最多。置き配の普及が効率化につながるかについては「⼤いにつながる」が最も多く53.1%

中小企業経営者と自営業者258名に、運送業界の現状を改善するために必要だが顧客理解が得られないものについて聞いたところ、「配送料の値上げ」が65.5%で最多となり、「(荷待ち・再配達など)ロス時間の削減・効率化」が36.8%、「(荷物の積み下ろしなど)付帯労働の削減」が29.1%と続きました。

運送業界の現状を改善するために必要だが顧客理解が得られないものは何だと思いますか(n=258、MA)棒グラフ。配送料の値上げ:65.5%、(荷待ち・再配達など)ロス時間の削減・効率化:36.8%、(荷物の積み下ろしなど)付帯労働の削減:29.1%、ゆとりある配送目標時間:26.0%、その他:1.6%、特になし:21.7%

また、より働きやすい運送業界に向けてあると良いと思う社会的な理解について聞いたところ、「配送料の値上げ」(65.1%)が最多となり、「(荷待ち・再配達など)ロス時間の削減・効率化」(44.6%)、「ゆとりある配送目標時間」(39.9%)と続きました。

より働きやすい運送業界のためにどのような社会的な理解があるとよいと思いますか(n=258、MA)棒グラフ。配送料の値上げ:65.1%、(荷待ち・再配達など)ロス時間の削減・効率化:44.6%、ゆとりある配送目標時間:39.9%、(荷物の積み下ろしなど)付帯労働の削減:32.6%、その他:1.2%、特になし:20.9%

運送業界の現状を改善するために消費者理解が必要なものについて聞いたところ、「(送料無料の中止など)配送料の値上げ」が64.7%、次いで「ゆとりある配送時間」と「再配達の削減」が同率で43.0%となりました。

運送業界の現状を改善するために消費者理解が必要なものは何だと思いますか(n=258、MA)棒グラフ。(送料無料の中止など)配送料の値上げ:64.7%、ゆとりある配送時間:43.0%、再配達の削減:43.0%、配達中の停車・駐車:40.3%、(まとめ買いによる)一度での受け取り:13.6%、視認しやすい伝票作成:7.8%、その他:1.6%、特になし:17.8%

宅配ボックスの設置など、消費者があらかじめ指定した場所に非対面で荷物を届ける置き配がより普及することは配達の効率化につながると思うかについて、「大いにつながる」が53.1%で最多となり、「多少はつながる」は33.7%、「そうは思わない」は13.2%となりました。

宅配ボックスの設置など、置き配がより普及することは、配達の効率化につながると思いますか(n=258、SA)円グラフ。大いにつながる:53.1%、多少はつながる:33.7%、そうは思わない:13.2%

従業員の有無別にみると、「従業員なし」では、最多が「大いにつながる」(57.7%)、次いで「多少はつながる」(30.7%)となりました。一方で従業員が1~299人いる「従業員あり」では、最多が「多少はつながる」(42.0%)、次いで「大いにつながる」(40.6%)となり、従業員の有無によって置き配による配達の効率化への期待度が異なると言えそうです。

【従業員の有無別】宅配ボックスの設置など、置き配がより普及することは、配達の効率化につながると思いますか(SA)積み上げ棒グラフ。従業員なし(n=189):大いにつながる57.7%、多少はつながる30.7%、そうは思わない11.6%。従業員あり(n=69):大いにつながる40.6%、多少はつながる42.0%、そうは思わない17.4%。

【調査概要】

調査対象:道路貨物運送業の中小企業経営者(※)・自営業者

※従業員300名未満の規模の会社経営者(社長、会長、取締役)

サンプル:中小企業経営者48名、自営業者210名の計258名

調査方法:インターネット調査

調査会社:株式会社マクロミル

実施時期:2023年12月19日~12月21日

  • 回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第2位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が100%にならない場合があります。

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